様々なデリヘルの歴史とプレイ内容ブログ:2018年04月19日
子供の頃は土用の鰻など知らなかったが、
成長期に食べたものの中で
鰻ほどあたくしの印象に残るものは無い。
なかなか食べられなかったということもあるが、
それ以上にあたくしにとって鰻といえば、
お父さんのお土産である。
あたくしが小学生の頃のこと…
お父さんが飲んだ帰りに、駅の近くの小さな料理屋で、
時々持ち帰りの鰻を買ってくることがあった。
よるの10:00過ぎ、
仕事終わりにビールを飲んで、
酔ったお父さんが帰ってくる。
帰って来たお父さんの手にはビニールの袋が下げられ、
その袋の中には包装紙に包まれた鰻重の箱が四つ、
重ねられて入っている。
小学生だったあたくしは、
お父さんの帰る頃にはもう布団の中であったから、
次の日の6時それを食べることになるわけである。
6時になると母が包装紙を開け、
ホイルの上に箱の中身をそのまま取り出し、
蒸し器で十分蒸したあと、
また同じように箱に詰める。
その上から、
小さな容器に入ったタレをかけて食べる…
子供ながらに、
これはとても美味いものだというのはわかっていた。
ひとクチひとクチ、大事に食べていたように思う。
箱の底は銀色をしているのだが、
あたくしは食べながらも、
銀色が見えてくるのが
非常に勿体無いような気がしていた。
底にボンヤリと映る自分の顔を少し残念な気持ちで、
クチを動かしながら見つめていたことを覚えている。
起きてきて鰻重の箱を発見した時の嬉しさというのは、
憂鬱な6時を少しだけ幸せな気持ちにしてくれた。
その包装紙の模様もまた独特で、
よくは覚えていないが
確か白地に、緑や黒の家紋のようなものが
規則正しく描かれていたように思う。
あたくしはその模様をみつけると意地汚い性分で、
顔を洗うよりも先にそちらに手をかけ、
お母さんによく怒られていた。